株式会社 INTO THE FABRIC 代表取締役 / けもの道クリエーター
富士通株式会社 グローバルマーケティング本部 マネージャー
自律的に働く人が増える社会をつくりたいと考え、INTO THE FABRICを設立する。「けもの道をつくりながら企業の可能性を探す」ことを得意とし、人と企業の社会のつながりをデザイン(組織/戦略/コミュニティ/イベントマーケティング領域)を行う。ゆるいつながりがこれからの社会を変えると信じ「100人カイギ」をはじめ、多様な人をつなぐ場をつくる活動を行う。サウナと散歩好き。
目的と課題に合わせて、3つの肩書を使い分ける
富士通に勤める会社員でありながら、変動性の高い時代に人々や組織が楽しめる社会の実現を目指す戦略型組織デザインファーム「INTO THE FABRIC」の代表取締役、そして100人カイギのfounder / 見届け人と、様々な肩書を持って活動する高嶋氏。そんな高嶋氏も10年前までは、会社に言われたことを150%頑張る“一般的な会社員”だったという。
高嶋:たぶん僕が解決したい社会課題は、凝り固まった会社員をもっと自立的に、自由に働ける人たちへ育てること。そこが現在の日本の生産性を落としている最大の原因じゃないかなと思っていて。働く人の意識を変えることを自分のライフミッションにしています。 富士通に今は勤めているけれど、やっぱりまだ大きな企業は個人を相手にしないし、どうしても企業対企業の構図になっちゃうじゃないですか。だから、結局100人カイギやINTO THE FABRICなど、外で動く意味は大きいと思っています。ただ会社員を変えるというミッションのためには、自分が会社員でいることも大切だし、大きなインパクトを出すという意味では、大企業に勤めているからこそできることもあると思うので、今のところは両輪でやっていこうと思っています。 100人カイギやINTO THE FABRICの活動を通して、会社を通さずに自律的に社会とつながるアイデンティティを持った個が増えて、またそういった人たちが特別なスキームを通さなくても繋がれる社会が訪れればいいなと思っています。
高嶋:会社に与えられた仕事は、会社員なので当然やります。自分がやりたいことと会社のミッション、会社から与えられた仕事が一致すれば、それが一番ハッピーですよね。だけど、会社員としてのすべての仕事が自分のやりたいことと一致することなんてありえないし、だからと言って、自分のやりたいことを我慢してやらないのは絶対に自分がつらいだけ。会社に頼らず自分の力でやればいいじゃんという考えが、まず大前提としてあります。
とはいえ今はこんなこと言っているけれど、10年前ぐらいまでは、会社に言われたことを150%頑張るという人生を送ってきたんですよ。会社員としての自分も活かしながら、自分がやりたいこともできると気付いたのは、HAB-YUを運営することになって、共創やイノベーションといった新しいことを志す外部の人とひたすら会うようになってからです。たくさんの人に会い、その人たちの話を聞くことで、会社に縛られている自分の価値観だとか、自分というものを見失っている感じ、社会と自分が対峙した時に感じた課題を置き去りにしていることに気付きました。100人カイギを企画した根っこの部分にも、そこで得た「人との会話を通して自分が変わった」という経験あって、当時完全に内向きの会社員だった自分ですら変われたんだから、人と人とが出会って会話することがもたらすパワーって大きいよね、誰でも変われるよねって。自分がロールモデルになっているんです。自分が変わったきっかけが人の話を聞くことであれば、それを提供できればいいわけです。100人カイギは自分が会社員としてでなく、“個人”として最初に始めた仕事でもあって、人との出会いで社会と向き合うことができた自分が、もっとそういう人たちを増やしていきたいと始めたものでもあるんです。